TSMC、日本の工場計画を延期し、米国への投資を強化
台湾セミコンダクター製造会社（TSMC）は、日本の熊本にある第二工場の建設を延期することを発表し、米国アリゾナ州への生産拡大に資金を優先的に投じることに決めました。
この決定は、米国の前大統領トランプ氏が輸入チップに対して関税を課すと脅した影響を受けて、TSMCが米国への投資を加速させることを余儀なくされたためです。《ウォール・ストリート・ジャーナル》の報道によれば、もともと今年初めに着工予定だった熊本工場は、資金の配分と地政学的考慮から建設スケジュールがさらに延期され、具体的な着工日程は不透明のままです。
TSMCは、今年3月のホワイトハウス記者会見で、今後数年間で米国に少なくとも1000億ドルを追加投資すると発表しており、以前の650億ドルの計画を超え、米国国内のチップ生産が企業の最優先戦略となっていることを示しています。
さらに、TSMCは米国の商務省が同社と中国の設計会社である算能（SOPHGO）とのビジネス関係を調査している圧力にも直面しています。この調査は、算能が過去数年間に発注した300万個のチップが華為に転売され、その結果華為の昇腾910Bプロセッサーの製造に利用されているのではないかとの疑念に基づいています。トランプ氏は、TSMCの工場計画が実行されない場合、100％の関税が課せられると脅迫しています。
日本政府は、TSMCの熊本第二工場が早期に稼働し、地元の半導体産業のアップグレードを促すことを期待しており、80億ドルの支援を約束しています。しかし、TSMCは現地の交通混雑を理由に、工事が「若干の遅れ」を報告しています。日本の官僚は、遅延の主要な要因として交通問題があったとの報告は受けておらず、生産能力および稼働開始時期は予定通りであると見込んでいます。
アメリカと日本の他にも、TSMCは昨年末にドイツで初のヨーロッパ工場の建設を開始しており、2027年末に稼働を予定しています。多くの国が半導体を戦略的産業と見なし、TSMCの投資を積極的に誘致しています。
